
『葬送のフリーレン』に登場する魔族は、他のファンタジー作品に登場する魔族とは異なる独特な性質を持っています。
その中でも最大の特徴と言えるのが、「言葉を巧みに操るが、意思疎通ができない」ということにあるでしょう。
フリーレンに登場する魔族は人間の言葉を真似て話しますが、それは単なる「声真似」に過ぎず、感情や倫理観を持っているわけではありません。
たとえば幼い魔族が「お母さん…」と呟くのは、人間の同情を誘い、攻撃を躊躇させるための戦略であり、実際には親子の概念すら理解していません。

また、魔族は社会性を持たず、個人主義的な生態を持っています。
魔族同士の関係は力関係によるものであり、道徳や倫理観というものが存在しません。
さらに、魔族は一つの魔法を極めることに生涯を捧げる習性があり、長い寿命を持つため、魔法の研究に膨大な時間を費やします。
このように『葬送のフリーレン』の魔族は、人間とは根本的に異なる存在として描かれています。
言葉を解しながら本質的に理解しえないという性質は、他の作品にはあまりないのではないでしょうか。